1990年代の不動産バブルを上回る勢いで上昇を続けるマンション価格。いつまでこの傾向が続き、高値で売却するタイミングはいつなのでしょうか。(2022.11記)
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いつのまにか自宅の資産価値が上がっている!
近年、都市部のマンションの販売価格がどんどん上昇し、これにつられて中古物件もどんどん値上がりしています。
こうなると、価格がピークのうちに自宅マンションを売却して、相場が暴落した後に安い物件に住み替えたい、なんて欲も出てきちゃいますよね。
札幌市内で分譲マンション住まいの筆者ですが、10年前に売却したマンションは築20年以上を経過してなお、売却時よりも数百万円高い値段の広告を目にします。
我が家の向かいの新築マンションは、我が家と同じくらいの間取りなのに1000万円も高い価格で販売されていました。
建設資材の高騰に加え、地方からの住み替え需要が相まって、新築、中古ともにマンション価格がどんどん値上がりし、若い世代にはなかなか手が出しづらくなっていますね。
一方で、現在マンションを保有している人は、高騰している間に売却して財産を増やしたいともくろんでいるはず。
さて、マンションはいつ売却するのが良いのでしょうか。
首都圏では不動産売却で爆益
東京都内では、マンション価格が、ここ10年間で約1.7倍に跳ね上がり、ただ保有しているだけで50%以上の含み益を出しています。
渋谷区内の新築当時の平均価格9500万円で販売された高級マンションは、現在では2億円を超える値がついているということです。
週刊誌によると、仲間由紀恵さんが首都圏で購入した1億円の高層マンションは現在1億5000万円いじょうになっているといいます。
また、このような動きに乗じて、石田ゆり子さんや鈴木京香さんなども不動産投資を行っているということです。
ということは、自分も不動産成金になれる!?
自宅の資産価値が上がっている!首都圏では不動産売却で爆益を得ている人が続出!
となると誰もが、こんな誘惑にかられます。わかります、わかります。
でも、よく考えてみてください。高い価格で売却しても、今、次の住まいを購入しようとしたら、やっぱり価格は高いわけです。
ということは、地方に移り住むとか、賃貸に住み替えて身軽になる、とか住まいを取り巻くライフプランの見直しを考えている人だったら、検討しても良いかもしれない、という条件付きになっちゃいますね。
とはいえ、やっぱり気になる不動産価格の動向。ひととおりおさらいしてみましょう。
都市部の中古マンション価格は2023年以降も上がり続けるか
2013年から急上昇中のマンション価格
新型コロナの影響で、テレワークが増えたことにより郊外へ移り住む人が増えたというニュースも目にしますが、その割合はごくわずか。
やはり医療過疎地から高齢者が都市部のマンションに住み替えるなど、北海道内においては札幌市をはじめとする都市部への集中は続いています。
そして、高騰する不動産価格のため都市部で新築物件を購入することができないファミリー層は、中古物件を探したり、大都市郊外の衛星都市に流れています。
このことから今後、2~3年は、このまま値上がり傾向が続くというのが一般的な見方です。
2025年不動産暴落説がささやかれている
団塊の世代が一斉に後期高齢者になることで、空き家が市場に出回り、供給過多となって不動産価格が暴落するのでは?という説があります。
しかし、多くの空き家が発生するのは、マンションではなく郊外の戸建て住宅です。郊外に戸建ての空き家が増加しても、都市部のマンション需要はあるので、マンションに関しては価格の暴落はないのではないか、というのが識者の見解のようです。
ただし、郊外のマンションについては、要注意という見方もあるようです。
金融緩和が継続されるうちは価格上昇傾向?
大規模な金融緩和を続けてきた日銀の黒田総裁の任期が2023年4月に迫っていることから、金融緩和政策が方向転換し金利が上昇すると、返済に耐えられない人が売却を進め、新規購入者が減ることで、マンション価格が下落するのではと推測する向きもあります。
しかし、黒田総裁が、2023年、2024年において今すぐ金利を引き上げることはないと発言していることから、急激な価格下落は考えにくいともいわれています。
北海道でも、札幌市や主要都市を中心にマンションの値上がり傾向が続く
北海道においても、建設資材の高騰の影響で、新築マンションの価格が上昇したことで、新築に手が出ない若い層を中心に中古マンションに人気が集まり、築年数が20年を超えても、どんどん売れる状況が続き、価格は上昇し続けています。
札幌市ばかりでなく、旭川市や函館市などでも同様の傾向があり、堅調な相場が維持されています。
結局、マンションはいつ売却したら良いの?
過去のバブル現象を見るにつけ、こっそり暴落説を唱えている人がいても、現実的なものとしてとらえることができずに、多くの人が泣きをみました。
できるだけ価格のピーク時に売却したいと考えても、そのピークを読み解くのは難しいものです。
国内外の様々な要因・出来事が引き金となって、いつどんな動きになるのかは、誰にも分らないのかもしれません。
そう考えると、「まだまだ上がるかも」なんて欲を出さずに、時期に余裕をもって売却するのが賢明といえましょう。
ただし、その売却が自らのライフプランと照らし合わせて適切か、と考えることをお忘れなく。
住宅ローンの支払いが困難なったら競売にかけられる前に任意売却の手続きを
ローンが支払えなくなったら、住宅を売れば良い、なんて気軽に考えていたら間違いです。
ローンが残っている物件を売ろうと思っても、その物件には抵当権(担保)が付いていますので、通常は全額返済の約束ができない限り売却することはできません。
そのまま、ローンの支払いが滞ってしまうと、いずれ住宅は、競売にかけられて、安い金額でたたき売られて、そのお金でローンの一部が返済できたとしても、多くのローンが残ってしまいます。
こういう場合に、銀行の同意を得て進める「任意売却」という手法を使うと、計画的に売却できるため、残債を少なくすることができ、強制退去など最悪の事態を回避することができます。場合によっては、売却した物件に賃貸で住むことができる可能性もあります。
ただし、顧客に優位となるよう銀行と交渉を進めたりなど、高度なスキルが要求されるため、「任意売却」を取り扱える業者は限られています。
【参考リンク】
・住宅ローンが払えない~任意売却無料相談窓口(ECエンタープライズ)
・タウンライフ不動産売買(売却)/不動産売却の一括無料見積もり
【参照サイト】
●石田純一は豪邸売却で数千万円の利益! 仲間由紀恵、石田ゆり子…芸能界「不動産王」は?/2022.6.19(週刊ゲンダイDIGITAL)
●【2022年最新】マンション価格は今後どうなる?地域別の価格や下落のタイミングを予測/2022/11/09(J-Nav不動産メディア)
●【2022年最新】マンション価格推移をグラフ化!5大都市の動向と買い時も解説/2022.11.10(マイナビニュース不動産鑑定)