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国内外来種カブトムシはいつから北海道いるのか?生息域拡大の背景は・・・

子どもたちに人気のカブトムシだが・・・

近年、もともと北海道には生息していなかったカブトムシが、当たり前のように目撃・採集されるようになりました。

北海道には、いつからカブトムシが生息するようになったのでしょうか。そして、どのようにして生息域を拡大していったのでしょうか。

北海道には、いつからカブトムシが生息しているのか

近年、北海道内では、稚内など道北地方でも確認されているカブトムシ。
北海道にはもともと生息していなかったカブトムシは、北海道では、国内外来種として生態系への影響が心配されています。

いったい、いつごろから、どのように生息域を広げていったのでしょうか。

筆者の記憶をたどる

筆者がクワガタ採りに夢中になっていた子供の頃は、1970年代後半~1980年代前半。

インターネットの無い時代でしたが、北海道内でもカブトムシ目撃例があるとか、養殖場があるなどという噂を耳にしていました。

中でも、記憶に残っているのは、三笠市幾春別や、道北の遠軽町でカブトムシ捕獲例がある、という噂でした。

その噂の情報源が何であったのか、今となっては確認するすべがありません。

確かなのは、当時、神社のお祭りなどではカブトムシの販売が大人気だったことです。

遠軽町生田原では、40年以上前に繁殖していた

筆者が子供のころ、1980年代前半に耳にした噂は「遠軽町ではカブトムシが採取できる」というものでした。

今、改めてエックス(旧ツイッター)を検索してみると、当時の状況を裏付ける投稿がありました。

<遠軽では40年以上前にカブトムシが確認されている>

当時、筆者が耳にしていたのは、腐葉土は醗酵するときに発生する熱のせいで、北海道でも、カブトムシの幼虫が生きていくための温度が確保できるのでは、という話でした。

それにしても、繁殖しているという場所が、比較的温暖な道南地域ではなく、厳寒の道北・道東エリアであることに驚きを隠せませんでした。

紋別郡湧別町でも(年代不明)

「芭露(ばろう)」とは、遠軽町に近い紋別郡湧別町の地名で、複数の牧場があります。

この情報が、いわゆるカブトムシ養殖場なのか、それとも単なるうわさなのか確認しようもありませんが、遠軽町や湧別町を含め、北見市周辺では、早い時期からカブトムシが確認されていたことを裏付ける証言です。

ちなみに、筆者が子供のころ耳にした三笠市幾春別でのカブトムシ目撃例は、ネット上では探すことができませんでした。

1980年代の美瑛町で

美瑛町でカブトムシ出現の定点観測している方がいらっしゃるようです。初見は1987年で、以降、爆発的な発生は知らず個人的には見ない年もあった、とのことです。
参照:日本蝶類研究会

遠軽町からは150キロも離れていますが、じわじわと生息域を広げていった様子を垣間見ることができます。

現在は、最北の果て稚内市でもカブトムシが確認されている

北海道におけるカブトムシの最初の確認は、1936年

「北海道におけるカブトムシの最初の確認は1936年、道南の大沼で記録されている。道内への本格的な定着は、1970年代頃らしい。」

参照:perversity

個人で飼育していたものが逃げ、それが発見されたのであれば、偶発的な現象ともいえます。

しかし、本格的に定着しはじめたといわれる1970年代に、いったい何があったのでしょうか。

カブトムシ養殖場の存在

堆肥の中で育つカブトムシの幼虫

昭和40年代に既にカブトムシ養殖場があったか

昭和43年~47年頃に作られたカブトムシ養殖場から逃げ出したものや 個人で飼育していたものが逃げ出したものなどが増殖

参照:onigiriまとめ

この記事で注目すべきは「カブトムシ養殖場」の存在です。

筆者は、1980年前後に、神社などのお祭りで、カブトムシが販売されていたのを記憶していますが、需要があり、技術的に可能であれば、供給元としての養殖場が北海道内に作られたとしても不思議ではありません。

昭和50年代には小樽市赤岩の北山中学校付近に養殖場があった

昭和50年代には赤岩の北山中学校付近に養殖場があり、閉鎖後もしばらくカブトムシの繁殖が見られたようですが(北海道新聞小樽版、1983年4月16日)、現在このあたりではカブトムシは見つからないようです。

引用/日本財団図書館

筆者の記憶と、推察を裏付けるように、以上のような情報がネット上ありました。

現存するカブトムシ養殖施設

陸別町にある「かぶとの里」という施設では、カブトムシの養殖のほか、カブトムシやカブトムシグッズの販売も行っているほか、キャンプ施設を併設し、家族で楽しめる施設となっています。もちろん、この時代ですから、逃げ出さないような管理はしっかり行っているものと思われます。
リンク:かぶとの里(北海道足寄郡陸別町字陸別西1線307-4)

農業用の「堆肥」の流通にカブトムシ増殖の鍵が

農業用の堆肥

カブトムシの幼虫は堆肥の中で育ちますが、堆肥は醗酵する際に熱が発生することから、カブトムシが北海道の寒さをしのげる環境であるようです。

実は、農家が利用する「堆肥」の流通にカブトムシ増殖の鍵があるようです。

堆肥は、農家さんの好みで好きな地域から購入していることが聴き取りでわかりました。つまり、北海道全域で爆発的にカブトムシが増えたのは、農家さんが、堆肥を色んな好みの地域から購入するためです。堆肥の中に紛れ込んだカブトムシの幼虫が、北海道をぐるぐると回って大移動し、分布を拡大させているのだと思います。

引用/note23

これは、非常に注目すべき証言です。別の文献にも次のように記載されています。

生息地は、樹皮やチップ、家畜の糞尿などの堆肥の材料が手に入り、堆肥の生産がさかんな地域や、実際に堆肥を使う農地の周辺に集中しています。
引用/日本財団図書館

さいごに

国内外来種のカブトムシに北海道庁も憂慮

虫捕りをする人たちにとって、カブトムシの発見はとてもワクワクしますし、子供たちも大喜びでしょう。

でも、もともと北海道に生息していなかったカブトムシが、北海道内で生息を拡大させると、北海道内の生態系(自然環境)へ悪影響が及ぶ可能性があります。

北海道庁も警告を発していますが、時すでに遅しの感があります。

リンク:ちょっと待って、そのペットたち!(北海道自然環境局)

個人的には、競合するであろうクワガタムシの繁殖を阻害しないよう、朽木などはできるだけ整理せずに放置しておいてほしいな、と思ったりします。それが解決策なのか分かりませんが。
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