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2023年“黒いそば”継承か、新展開か?音威子府そば復活の動き次々と

画像出典/SOBAR

“黒いそば”として有名な「音威子府そば」は、消滅の危機にさらされながら、様々な方面から復活の動きがあり、元祖とは異なる味も含め、新たな展開が模索されています。(2023.12.28記)

“黒いそば”音威子府そばの歴史は継承されるのか


そばの一大産地、北海道音威子府村では、真っ黒い色が特徴の「音威子府そば」が名物でした。

通常は捨ててしまうそばの実の殻(甘皮)をそのまま挽く「挽きぐるみ」という製法のため黒いのが特徴。

そば本来の香りや風味が強く、こしがあり、太めで断面が四角いのがこのそばの特徴でした。

2021年、この“黒いそば”を提供していた名物駅そば店の店主が死去、2022年には製麺会社も経営者の高齢化や設備の老朽化などのため廃業。

「音威子府そば」は、幻となってしまうのか・・・。

しかし、幻となりかけた“黒いそば”は、なんと関東で復活、そして、「音威子府そば」は、新たな新商品をも生み出し、今もその歴史を紡いでいます。

2021年“日本一の駅そば”といわれた「常盤軒」の閉店

天北線と宗谷本線との分岐点にあり、多くの乗り換え客がいた音威子府駅のホーム上で戦前からそばを提供していた「常盤軒」。

1989年の天北線廃止とともに駅舎内へ移動しましたが、「日本一うまい駅そば」と言われ全国にファンに親しまれてきました。

その「常盤軒」の3代目店主西野守さんは、2021年2月7日、84歳で亡くなり、1933年(昭和8年)から80年以上続いてきた「常盤軒」の歴史は幕を降ろしました。

2022年“黒いそば”の製造元「畠山製麺」の廃業

黒い蕎麦「音威子府そば」を製造していたのは、音威子府駅からほど近い場所で、1926年(大正15年)創業の「畠山製麺」。

「常盤軒」の閉店からまもなく、その「畠山製麺」も、経営者の高齢化などのため、2022年8月末に廃業しました。

関東で“黒いそば”が復活 通販も可能

画像出典/音威子府食堂

畠山製麺の廃業に伴い、音威子府の“黒いそば”を看板メニューにしてきた千葉県茂原市の「音威子府食堂」と、東京都新宿区の「音威子府TOKYO」の2つの飲食店は大きなショックを受けました。

音威子府出身で実家はそば農家だったという「音威子府食堂」の佐藤博さんは、知人の音威子府TOKYOの店主鈴木章一郎さんを誘い、“黒い蕎麦”の共同開発を持ちかけました。

2023年1月ついに完成した“黒いそば”は、前記2店で提供されているほか、音威子府食堂公式サイトで通販も行っています。


こちらは、「新・音威子府そば」として、畠山製麺のそばとは区別されています。

地元農家が、“黒いそば”「おといねっぷ蕎麦」を開発


音威子府村から大切な名物が姿を消したことから、2023年、音威子府村で農家を営む立川貴紹さんが、新たな“黒いそば”を開発。

畠山製麺の再現ではなく、オリジナルとのことで、その名称も「おといねっぷ蕎麦」という表記で、畠山製麺とは区別されています。

JR音威子府駅前の「ゲストハウス イケレ音威子府」内の食堂「めしや満福イケレ」で提供されているとのことです。

参照:音威子府 新しい黒そば 農業・立川さん開発、飲食店開業目指す(北海道新聞)

音威子府産そばの新たな展開

音威子府そば「畠山製麺」の廃業後、音威子府産を含む道産そば粉を使用した生そば「マルシチ」が誕生しました。

「マルシチ」は、“黒いそば”の後継商品として村内のプロジェクトで開発され、“そば粉7割”で売り出したもの。

2023年11月からは、100%音威子府産のそば粉を使用し、道の駅おといねっぷで300グラム756円で販売されています。

こちらは、“黒いそば”ではありませんが、そばの産地としての音威子府を愛する人たちが生み出した新名物ですね。

以上、2021年からの音威子府そば存亡の危機から2023年までの主な動きをまとめてみました。北海道で一番小さな村から生まれた名物は、多くの人の熱意と大きな注目の中で新しい時代へ一歩踏み出したようです。

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