実は札幌にもいるヤマトゴキブリ。ゴキブリ耐性の無い北海道民を地獄に落とす国内移入種。 pic.twitter.com/HAAiGp3jwF
— 🍚もちごめ🍚 (@aulacophora) 2017年8月16日
これまで「北海道にはゴキブリがいない」といわれてきましたが、目立たない小さな「チャバネゴキブリ」がひそかに生息していたことは知られていました。
チャバネゴキブリは、一般的なゴキブリの印象とは異なり、せいぜい1センチ~1.5センチの小さなものです。これくらいならカメムシ大量発生を経験している道産子ならびっくりしません。
しかし、“虫嫌い”の人たちが恐れているのは黒光りしている大きなゴキブリ。実はその「ヤマトゴキブリ」という種類が北海道に進出してきているらしいのです。
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その昔、北海道の人が夢を求めて上京したものの、見たこともない気持ち悪い虫に怯え、志半ばに北海道に舞い戻ってきた、なんて笑い話があったものです。
その“気持ち悪い虫”こそが、「ゴキブリ」なんですね。それまで「ゴキブリ」は道産子には馴染みが無かったことから、東京と北海道のギャップを表現するために、前記のような笑い話が生まれたということなのでしょう。
それが、もう笑い話では済まなくなっているというのですから、穏やかではありません。
北海道弁で言うと「なまらヤバイ!」
ヤマトゴキブリってどんな虫?大きさ・生態・分布など
・体長20~25mm
・黒色茶褐色
・幼虫期間は4か月~1年、成虫の寿命は3~6か月
・分布 東北~中国地方 近年は北海道や九州でも発見されている
見た目が不潔で嫌悪感を与え、集合している様子はさらに不快感や恐怖感を抱かせる。そればかりか食中毒菌をはじめ各種の病原微生物を体表面や脚、排泄物などを通じて伝播する。
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北海道で繁殖中の「ヤマトゴキブリ」
北海道における「ヤマトゴキブリ」発見記録は、とある文献によると、1980年代から日本海や津軽海峡に面した地域で確認されており、小樽市内でも海岸地域と公園のみに限定され住宅地での記録は無かったとされてきました。
ところが、同文献では、2012年の調査として札幌市の円山公園や北海道神宮内でヤマトゴキブリの成体が確認されており、内陸部へも進出していることがわかったというのです。
【参考文献】「札幌市におけるヤマトゴキブリの初記録」
下のツイートの写真は、2012年に円山動物園で撮影されたと思われるヤマトゴキブリ。
札幌でもヤマトゴキブリが生息している・・・多分移入種だとは思うけど・・・円山動物園の資材に紛れて・・・でも、正式発表はされていないって・・・ひょっとすると、ある意味チャンスかも(笑)去年も今年も確認してるからなあ、俺。 pic.twitter.com/3o9S2ri7
— pochi (@pochi1963) 2012年12月18日
今では、アース製薬のサイトにも「ヤマトゴキブリは北海道・本州に分布し・・・」と紹介されるほどになってしまいました。
小樽港周辺では1985年にゴキブリを確認
小樽市総合博物館の学芸員によると、小樽港周辺では1985年に小樽検疫所によってヤマトゴキブリの生息が野外で確認されているとのことです。
ヤマトゴキブリは耐寒性が強く、屋内と野外を行き来しながら生活していると思われるとのことです。
円山動物園でヤマトゴキブリを目撃
筆者も、2016年か2017年に、円山動物園内の樹木の幹に10匹ほどのヤマトゴキブリがうごめいていたのを目撃したことがあります。
前述の文献によると、ある実験下でマイナス7度の冷凍状態に耐え休眠できたことから、条件がそろえば、ヤマトゴキブリは北海道の冬季の低温に耐え個体群を維持できると推測しています。
札幌市内では、北海道神宮や円山公園には、石材や老齢樹木、保温性の高いサイディング壁や石垣などが豊富にあります。
円山動物園に搬入された資料や資材に卵や幼虫などが付着して運ばれた可能性も否定できないとのことです。
【ゴキブリ注意】北海道札幌市の自宅の庭にてヤマトゴキブリ(?)捕獲 pic.twitter.com/s0wnwnbPvQ
— キムう (@Kim_vespa_m) 2017年8月5日
そして近年の温暖化の影響もあり、ヤマトゴキブリにとって昔よりは生息しやすくなってきているのかもしれません。
屋外ならともかくも、部屋の中にいきなり、こんな大きな黒光りする虫が湧いて出てきた!なんて考えたら・・・
クロゴキブリより小型とはいえ、ゴキブリに免疫の無い道産子にとっては恐怖ですね。なんとか北海道での繁殖を阻止する対策はないものでしょうか。
しかし、ほとんどの道民はゴキブリを見たことがない
危機感をあおるような記事になってしまいましたが、実際にゴキブリを見たことのある北海道民は、そう多くありません。普通に生活していれば、ゴキブリに一度も出会うことなく一生を終える人がほとんどなのです。
そんな平和が長く続くよう、国内外来種の問題には、敏感になっておきたいものですね。