北海道常呂郡置戸町から産出される赤色のパワーストーンをご存知ですか。
とても美しい辰砂の結晶! まだ店頭にありますので、ぜひ現物をご覧くださいませ。 pic.twitter.com/Hafa5ABCcB
— うみねこ博物堂 (@umineko22) 2018年4月19日
パワーストーンとして中国では不老不死の妙薬や漢方薬の原料ともなっていた「辰砂(しんしゃ、cinnabar、シンナバー、シナバー)」という鉱物があります。「ハリー・ポッターと賢者の石」の「賢者の石」とはこの「辰砂」だといわれています。
なんと、この「辰砂」が産出される貴重な場所が、置戸町にあるのです。
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軍需産業としての歴史
北海道常呂郡置戸町にあった野村工業置戸鉱山は、かつて水銀の原料となる「辰砂」の産出地として昭和16年~25年にかけて採掘がおこなわれていました。
船の塗装や魚雷の起爆剤として使えることから国は軍需補償金を出して国内生産を奨励していたのです。
最盛期には、2,000人余りが鉱山で働いており、その中には強制労働に従事させられていた中国人・朝鮮人俘虜もいたといいます。
労働環境は厳しく、祖国の土を踏むことなく殉死した人たちのために、昭和51年には、慰霊碑「中国・朝鮮人殉難慰霊碑」が町の共同墓地に建立されています。
北海道旭水銀鉱山
宝石の国に便乗してもう一つ
辰砂は割とどこでも取れるが
かつては日本でもこの標本のような良品が出た
奈良の有名産地に昔採りに行ったことがあるが
造成されてただの平地になっており
悲しい思いをした記憶がある pic.twitter.com/8ry8CaooeW— weaponite (@weapont9999) 2018年1月27日
その後、昭和40年の林道開削工事中に発見された「旭水銀鉱山」は、水銀とともに「辰砂」が産出されたことから、色の赤い「辰砂」にちなんで通称「紅の沢」と呼ばれていましたが、採掘量は小規模だったと思われ、昭和40年代のうちに閉山となっています。
深紅色のパワーストーン
もちろん鉱物標本としての辰砂結晶は中国含めいくつかの産地のモノを持ってます。ではなくて、顔料原料用途として出回っている天然モノの辰砂結晶もあり、それを絵描きが砕いて使うのだよ、という意味です。 pic.twitter.com/gV5i86gIRM
— 山猫だぶ (@fluor_doublet) 2016年9月14日
「辰砂」は、不透明な赤褐色の塊状、あるいは透明感のある深紅色の菱面体結晶。高温で加熱すると水銀蒸気と亜硫酸ガス(二酸化硫黄)が生じ、水銀を取り出すことができます。また、赤色顔料(釉薬)として陶磁器などに使われてきました。
朱肉は、もともと艾(もぐさ)と辰砂と植物油が原料で、別名「印泥」といいますが、天然の辰砂は高価なため、多くは人工的に水銀と硫黄から合成した珠砂を使用しています。
パワーストーンとしては、卵巣や精巣などに働きかけ男女の不妊症に効果があり、大腸機能の活性化にも期待が持てるとのこと。また、困難に立ち向かえる心を引き出すと言われています。
しかし、かつてこの石を飲んで不老不死の力を宿そうとした中国の皇帝たちはその水銀成分の毒性のため中毒になり死亡したとか。
今は、観賞用として、ものにより数万円で販売されていますが、硬度が低いためジュエリーなどの加工には向いていないようです。
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置戸鉱山跡地
国道242号上に上鉱山、下鉱山のバス停名、野村鉱業置戸鉱山跡の石碑が残っているとのこと。今は、当時の面影を残すものは無いのではないでしょうか。
紅の沢では、今でも「辰砂」に出会えるらしい
辰砂が産出されたことからついた通称「紅の沢」は、どこにあるのでしょうか。
北海道、置戸町旭水銀鉱山紅の沢四号露頭の辰砂。単純な歪んだサイコロ状の結晶です。辰砂は三方晶なのですが、長軸は上から下に抜けてます。戦後に見つかった鉱床で、ヒグマの出る沢にでかい転石があって、それを割るんだそうです。一辺 2 mm。 pic.twitter.com/VOmGNW5g19
— 山猫だぶ (@fluor_doublet) 2016年1月13日
ウェブサイト「廃墟検索地図」によると、「紅の沢」は、「鹿の子ダム」のさらに上流部の林道付近のようです。「沢」というには小さな小さな沢。林道からは川を渡り藪をかき分け数百メートル離れているそうで、案内人なしにはたどり着けないと思われます。
運よく探し出せた人は、パワースポットとして大地のエネルギーを吸収してみてはいかがでしょうか。
<紅の沢の場所マップ・地図>
この「紅の沢」に実際に行ってみた人のブログがありましたので、ご紹介します。
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