2018年10月6日に発生した、平成30年北海道胆振東部地震により発生した大規模停電(ブラックアウト)により、多額の損害が発生したとして、「コープさっぽろ」が北海道電力に対し9億円余りの損害賠償を請求すると報じられました。
このことに対し、ネット上では賛否さまざまな意見が飛び交いましたが、その多くは、「コープさっぽろ」に批判的な意見でした。
その後、「コープさっぽろ」は、北電への損害賠償請求は行わないことを表明しましたが、この方針変更をめぐっても様々な憶測が飛び交いました。
一時期は、北海道電力の経営責任を問う論調が多く見受けられたものの、ブラックアウトの背景には、北海道電力だけの問題ではなく、道民世論や経済界、国や北海道のエネルギー政策などが絡むことから、冷静な分析が望まれることは言うまでもありません。
この記事では、この騒動に対する北海道民の反応をツイッター上の反応からご紹介します。
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10月7日付け「北海道新聞」の報道
コープさっぽろ(札幌、組合員数170万人)は6日、札幌市内で理事会を開き、胆振東部地震による大規模停電(ブラックアウト)で発生した損害の賠償を北海道電力に請求する方針を固めた。
<中略>
北海道新聞の取材に対し、大見英明理事長は「今回の停電は人災ともいえるものだ。その分は、電力会社に責任がある」として、北電への賠償請求が必要だと判断した。地震により損傷した苫東厚真火力発電所(胆振管内厚真町)への電源の偏りを念頭に、「大規模電力を一極集中させたことで事故リスクが高まった」と主張。損害賠償の請求を通じて、電源の分散化を求めるなど電力供給のあり方についても、問題提起したい考えだ。
中2018年10月7日付け北海道新聞電子版
10月7日付け「リアルエコノミー」の報道
全道停電は、北電が苫東厚真発電所に電力源を集中させていたことによって引き起こされたもので、人災によるものと判断。幹部会で北電への損害賠償請求を検討することを決め、10月6日の理事会で請求を決めた。大見英明理事長は、「まず内容証明郵便で損害額の賠償を請求する。これによって北電の出方を待ちたい」としている。
中2018年10月7日付けリアルエコノミー
「9億円損害賠償」の報道を受けた道民の反応
これらを受けてツイッターなどのSNSでは、賛否両論が飛び交いました。
「コープさっぽろ」に批判的な意見
何これ。食料破棄して賠償請求とか、一般家庭だって破棄してんのは同じだし。そもそも、組合員から金取ってんのに、自家発電も備えてなかったのかよ。東日本震災のときに、あれほど備えろって学んだのに。北電に請求したら、また電気代上がるじゃん。もう、コープでは買い物したくない。 pic.twitter.com/iV8mQ5QHKJ
— サマンサ (@YEEIdg2FO1Oes2Y) 2018年10月7日
自然災害において、スーパーが人災ではないのにこれはちょとおかしくないですか? 地震などによる自然災害において電力供給ストップするのは仕方ないし、常識のある判断でお願いしますよf(´-`; 「コープ」が北電に約9億円の賠償請求検討 #日テレNEWS24 #日テレ #ntv https://t.co/VRF5jqKZ34
— お菊さん (@Motor_6) 2018年10月8日
「北電の責任は免れない」という意見
一方で、北電の結果責任そのものについては、免れないという意見もありました。
自治体の長としてはるみたんが「北電の責任は極めて重い」と言ったことについて自分は不快感を覚えたしそれには同意できないけど、一方で北電の結果責任そのもの自体は完全免責できるものとも思ってないのでコープが賠償請求したこと自体は自分はそんなにおかしい事とは思わないけどね。
— 「北海道新幹線信者の会」受付窓口 (@yosshi1511) 2018年10月8日
コープの訴訟の記事に対して北電の責任ないなんて、浅はかなツイート見かけるけど、泊原発なしでもし、災害起きた時に、大部分を依存してる火力が止まったらどうする?って考えて、対策練ってなかったのは、北電の経営側の責任。
— めるめる (@melbourne_topo) 2018年10月8日
ホントだね。電力会社の肩を持つコメントがほとんど。北電の一極集中の発電の仕方に専門家から厳しい批判があった事なんか知らねぇのかな。
コープ、北海道電力に賠償請求へ 停電で食品廃棄 9億6000万円損害(北海道新聞) – Yahoo!ニュース https://t.co/jYSo97XtDd @YahooNewsTopics
— hoshiboo(今はキムチ職人) (@Albert_kokinji) 2018年10月7日
幅広く検証を求める意見
こんな公平なものの見方もあります。
北電は、確かに問題はあるのですが、厳しい経営においつめた行政(民主党、高橋知事、北海道庁)、政治(国も道も地方も放置)、メディア、市民派(再エネと反原発キャンペのコープ)とかの責任も追求しないと。死人が出る前に、批判でなく協力を
— 石井孝明 (@ishiitakaaki) 2018年10月8日
人災の側面があったとして、責任の所在が何処にあるのかが問われるだろう。法的根拠なく原発を止め続けた国の責任も問われることを期待したい
「停電で食品廃棄」コープ、北海道電力に賠償請求へ 損害9・6億円 – 産経ニュース https://t.co/zNqopPCsoc @Sankei_newsさんから
— リアリスト@見習いちう (@Ogihiro_1) 2018年10月7日
今一度、エネルギー問題を考えてみよう
再生可能エネルギーは、コスト高になりそれは電気料金に跳ね上がります。
太陽光発電は石炭火力発電と比較して3倍近いコストがかかります。
水力発電に必要なダム建設は初期投資が莫大であり、環境破壊も心配されます。原子力発電は、発電コストが比較的低く、発電時にCO2を排出しないなどのメリットがある一方で、東日本大震災で経験したように、いったん事故が発生すると取り返しのつかない事態になりかねません。
我が家の家計だけの事情でいえば、もし再生エネルギーの比率を増やしたことで、電気料金が2倍になったとしても、他を切り詰めれば乗り越えることは可能です。
しかし、電気料金が2倍になれば、様々な産業が北海道から出ていってしまうことでしょう。
このような中で、どのようなエネルギーバランス(エネルギーミックス:電源構成比率)を選択するのかは、我々道民の世論や産業界の意向とともに国のエネルギー政策がこれを左右します。
電力会社は、与えられた環境の中で、経営していかなくてはなりません。
その与えられた環境の中で北海道電力が取りえた経営努力とは何だったのか、冷静に検証してみる必要はありそうです。
これから次第に浮彫になるのは、ブラックアウトを引き起こした怠慢経営か、それとも、世論と国・道の政策のはざまで苦しんだあげくの悲しき企業の姿か。
一方の主張だけに賛同してヒステリックになる前に、自分の胸にも手を当てて、じっくり考えてみたい問題です。
「コープさっぽろ」による報道否定にさらに炎上するツイッター
「北電に9億円を賠償請求」と報じられた「コープさっぽろ」は、その後、この報道を否定。一転して賠償請求しないことを明らかにしました。
このことに対し、多くの人が「批判が殺到したことで態度を変えたのでは」とか、「現実派が新聞社にリークしたということか」などと勘繰る事態となっています。
コープさっぽろ】「損害賠償請求」報道を否定 「法的措置の意思なし」=北海道新聞に抗議https://t.co/OBVn7SWwMk
🤔💭世間からの風あたりの冷たさに怯んだかw
報道から何日経ってねんw pic.twitter.com/39DztJUv2p— なし男銀士 (@02yv1n0cSY2BR8c) 2018年10月8日
一方で、元会社経営者の86歳の男性が震災に対して9億円の寄付を申し出たことが報道されると、「9億円」を引き合いにコープ批判はヒートアップ。
@Birdy_Saasan 今後、コープさっぽろの店舗に嫌がらせ行為が起こりそうな懸念も、今から予測できます。過去の歴史でもそのような事が繰り返されてきたので。
そのために警備員を雇ったり要らぬ経費をかけるはずがない踏んでるので、コープさっぽろが今後どんな態度を見せるかにも注視します。— しまじろう (@mahou2010) 2018年10月8日
一面トップで報じた北海道新聞社との確執が出来るのでは、との見方もあり、今後の行方が心配です。
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