皆さんは「寒干しラーメン」をご存じでしょうか。
見た目は他のインスタントラーメン同様の袋麺なのに、食べてみるとほとんど生麺の食感に多くの人がビックリする「寒干しラーメン」。
昭和61年の発売以来、24種類までラインナップを増やしながら現在も販売されていますが、近年はテレビCMを放映していないため忘れられた存在なのかもしれません。
しかし、30年以上経っても、長期保存が可能な即席めん業界において、この寒干しラーメンを超える生麺食感の製品は未だに登場していないのです。
スポンサーリンク
「寒干し」という製法
「寒干しラーメン」の特徴は、その名のとおり「寒干し」という製法にあります。普通のインスタントラーメンは、乾燥させるために油で揚げるか、あるいは、熱風にさらす行程を経ます。
しかし、「寒干しラーメン」は、じっくりと熟成させた生麺を非加熱で乾燥させることで、小麦本来の旨さを引き出しながら作られているのです。
小麦のコシや弾力のもととなっているグルテンは、高温で過熱すると破壊されてしまいます。
そのため、製造過程で熱加工が必要な麺は、添加物等で結着させているのだそうです。
一方、「寒干しラーメン」は、小麦が本来持っている粘りやコシをそのまま生かした、まさに生麺そのものだったのです。
「寒干しラーメン」を製造しているのは北海道の会社だった
「寒干しラーメン」を製造しているのは、家庭用チルド麺(なま麺)では、東洋水産、日清食品に次いで全国シェア3位と言われている株式会社菊水(本社:江別市 杉野邦彦社長)。
スーパーの生めんコーナーに行くと、ロングランヒット商品の「札幌ラーメンコク味噌」や名店シリーズの「らーめん山頭火」や「さっぽろ純連」などお馴染みの商品は、この(株)菊水製です。夏場だと、「札幌生まれのラーメンサラダ」や「りんごのほっぺ冷やしラーメン」、「知床ざるそば」は、どなたも一度は食べたことがあるのではないでしょうか。
この(株)菊水は、東洋水産(まるちゃん)や日清食品のように、インスタントラーメンのコーナーに並ぶ商品も作っていますが、そのすべては、非加熱の「寒干し製法」で製造しています。
高コストのためか、他のどこのメーカーも作ろうとはしない「寒干し製法」のラーメンを、24種類にまでラインナップを増やしながら、テレビCMを打たず、クチコミで伝わる評判を頼りに今も作り続けているのです。
|
「えべチュンら~めん」は、進化系寒干しラーメン
株式会社菊水がある北海道江別市の“ゆるキャラ”といえば「えべチュン」。この「えべチュン」をパッケージデザインにした「えべチュンら~めん」は、江別市のお土産品として紹介されていますが、これも「寒干し製法」によって作らています。
インスタントラーメンとしては、少々高い価格設定は、おそらく150円くらいで販売されているケースが多いかと思います。
しかし、食べてビックリ。他のインスタントラーメンとは決定的に違う、ほとんど生めん、いや生めん以上のコシには感激。150円では安いことが分かります。
通常の「寒干しラーメン」では、麺の茹で汁とは別に、スープ用のお湯を沸かす必要がありました。
しかし、「えべチュンラーメン」では、他のインスタントラーメンのように麺を茹でたお湯にスープを入れて、鍋ひとつで作ることができます。
そういう意味では、最も進化した「寒干しラーメン」といえるかもしれません。
|
えべチュンら~めんが確実に購入できる場所
■江別河川防災ステーション売店
住所 北海道江別市大川通り6番地
アクセスマップ・地図
スポンサーリンク
「えべチュンら~めん」を調理して提供している飲食店がある
このように、生の麺と同様の食感を出せることから、小売りされている「寒干しラーメン」を調理して提供している飲食店があります。
江別市大麻東町の「大麻銀座商店街」内にある「麺こいや」という小さなお店がそれです。
このお店では、「えべチュンら~めん」の味噌・塩・醤油の各味と、ちょっとしたアレンジを加えたメニューが提供されています。
スープも小売りされている袋麺に添えられているものを、そのまま使用しています。
ラーメン専門店の味を期待すると、やはり、それは違いますが、何しろこれは、市販の即席袋めんなのです。
手軽に家庭で再現できるのですから、こんなに嬉しいことはありません。家族の笑顔のため、ワンランク上の夜食のために「寒干しラーメン」、「えべチュンら~めん」を常備しておいてはいかがでしょうか。
■株式会社菊水
住所 北海道江別市工栄町19番地の6
公式サイト
【関連の話題】
スポンサーリンク