2025年、JR苫小牧駅に関する様々なリポートや話題が多かったように思います。では10年後はどうなっているでしょう。2035年の苫小牧駅前の未来予想図を描いてみました。(2025.11.16記)
2035年、JR苫小牧駅前はこう変わる──市民とともに歩いた“ウォーカブルなまちづくり”の軌跡
苫小牧のまちなかを歩くとき、「もう少し駅前がにぎわえばいいのに…」と感じる人は少なくないでしょう。
長年、市営バスターミナルの廃止や旧サンプラザビルの閉店など、駅前には空洞化が進む課題がありました。
しかし今、2035年の駅前は、ひとつの「希望のモデルケース」と呼ばれるほど大きく姿を変えています。
この記事では、苫小牧駅前がどのように再生したのか、そのプロセスと現在の姿を、市民の目線で振り返ります。
■ 2035年の駅前は「歩いて楽しい」場所に
今の苫小牧駅前を訪れると、まず目に入るのが駅から市民文化ホールまで続く広い歩行空間です。
以前は車が行き交っていた道路の一部が、今では木陰のベンチや小さなカフェ、マルシェの並ぶ歩行者空間になっています。
「こんなに人が歩いてる駅前、子どもの頃以来かもしれないね」
そう話す市民も多く、日常の散歩コースとしても人気。
冬の吹雪対策として、部分的に屋根が整備されたことも歩きやすさの理由のひとつです。
■ どうして歩行者空間が生まれたのか?
「駅前を歩きやすくする」計画が打ち出されたのは2024〜2025年ごろ。
しかし、いきなり道路を歩行者専用にすると反発も大きいため、最初は“社会実験”としての小さな取り組みから始まりました。
▼ 最初は「週末だけ歩行者天国」から
・月1回、週末のみ車を止めてイベント開催
・キッチンカーの誘致
・地元農家のミニマルシェ
・子ども向けのシャボン玉パフォーマンス
これが意外なほど好評で、「1日でこんなに人が来るなら、普段も歩けたらいいのに」という声が少しずつ増えていきました。
▼次に「期間限定の歩行空間」へ
2027年には、夏季限定で3か月間の歩行者空間整備を試験実施。
ここで多くの市民が気づきました。
歩ける空間があると、自然とお店に入り、自然と人が集まる。
こうした“日常的なにぎわい”の兆しを受け、市は正式に整備へ踏み切りました。
■ モビリティハブの登場で「便利なのに歩く」まちへ
2035年の駅前で欠かせない存在となっているのが、駅前モビリティハブです。
これは
・電動シェアサイクル
・電動キックボード
・小型電動バス(オンデマンド運行)
・EV充電スペース
がひとつにまとまった拠点。
これにより、駅からの移動が「車以外でも便利」に変わりました。
特に人気なのが、AIオンデマンドバス
スマホで呼ぶと、10分以内に小型バスが来てくれる仕組みです。
高齢者や子どものいる家庭から「車より楽」という声も多く、結果として駅前に人が滞留しやすくなりました。
■ 駅前に“住む人”が増えたことが決定打に
駅前の再生で最も大きかったのは、居住人口が増えたことです。
2035年現在、駅前には
・子育て支援施設併設の中層マンション
・単身者向けコンパクトな都市型住宅
・リノベーションした旧ビルのシェア住居
などが立ち並び、1,000人以上が駅前エリアに暮らすようになりました。
なぜ住む人が増えたのか?
理由は3つあります。
① マンション建設のインセンティブ
2028年、市は駅前再生に合わせて
・税軽減
・容積率緩和
・子育て世代の家賃補助
などを段階的に導入。
これが民間事業者の参入を後押ししました。
② 大学・専門学校のサテライトキャンパスが誕生
北大や室蘭工大のサテライトに加え、IT系専門学校の分校が入居し、若者の昼間人口が増加。
学生が駅前にいることで、カフェや書店も再び活気づきました。
③ 2軍球団の誘致とスポーツのまちづくり
北海道日本ハムファイターズの2軍が苫小牧に拠点を置いたことで
・練習見学
・イベント
・シャトルバス需要
が生まれ、人が泊まり、食べ、歩く流れが形成されました。
これらが相乗効果を生み、商店街の空き店舗は確実に減りました。
■ ココトマが「駅前の心臓部」に
2014年に誕生したココトマは、
・学習スペース
・コワーキング
・カフェ&バー
・イベントホール
として機能してきましたが、2030年代に入り、役割はさらに拡大しました。
日常の交流をつくる“地域リビング”
コワーキングの利用者増に加え、
・子ども向けワークショップ
・起業家のミートアップ
・市民大学の講座
などが常時開催され、駅前の「人が集まる理由」の中心となっています。
■ 市民文化ホールのリニューアルも大成功
PFIによって再整備が進められた市民文化ホールは、
・音楽
・演劇
・アート
・スポーツイベント
の複合施設に生まれ変わりました。
駅前から歩いてすぐの場所にあるため、
「公演のついでに駅前でご飯を食べる」
「イベント帰りにココトマに寄る」
という自然な人の流れが生まれています。
■ 2035年、苫小牧駅前は“日常が楽しい場所”に
苫小牧駅前の再生は、一夜にして起きたものではありません。
小さな社会実験の積み重ね → 市民の支持 → 民間の投資 → 日常のにぎわいの定着
という段階を踏んで、今の姿へと育ってきました。
2035年の今、駅前では
・散歩する親子
・オンデマンドバスを待つ高齢者
・大学帰りにココトマへ向かう学生
・練習試合に向かうファン
・マルシェの買い物袋を提げた市民
が穏やかに混ざり合っています。
かつて「空洞化が進んでいる」と言われた場所が、市民の生活と誇りが戻る場所へと生まれ変わりました。
苫小牧の駅前は、これからも“歩きたくなるまちの未来”を象徴し続けるはずです。
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