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北方領土国後島から泳いで日本に渡ったロシア人男性は今_難民申請の行方は?

初回投稿2022年3月17日。7月6日追記あり。

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亡命?国後島から泳いで日本に渡ったロシア人男性を発見

2021年8月19日午後5時45分ごろ、北海道標津町でロシア人を名乗る男性が地元住民により発見され、「国後島から泳いできた」という趣旨を片言の日本語で話したため、中標津警察署に通報。警察は、男性をヘリコプターで札幌出入国在留管理局に移送しました。

通報した男性によると、ロシア人と思われる男性は、スポーツウエアの上下にスニーカー、つばの付いた帽子とマスクをしていた、とのこと。

警察に調べによると、男性は標津町から24キロ離れた北方領土の国後島から泳いできたといいます。

彼の名は、ワースフェニックス・ノカルド_ロシア人男性はどうやって泳いできたのか

彼の名は、ワースフェニックス・ノカルド(Ваас Феникс Нокард)当時38歳。ノカルド氏によると、日本時間の8月18日午前5時10分に国後島の南部を出発し、19日午後4時4分に標津町に到着。当時の水温は15℃、潮の流れは秒速およそ0.5メートルと速く、サメやシャチが生息している海域です。ウェットスーツとシュノーケルを身に着け防水袋に荷物を入れてコンパスを頼りに仰向けで泳いできたそうです。

ノカルド氏は日本円を所持していた

知床峠から見た国後島

ノカルド氏は、出発前に国後島の商店で両替した日本円3万円を所持しており、標津町に到着してから、コンビニで飲食物を購入したほか、ホームセンターで靴やリュックサックなどを購入したそう。

スマートフォンも所持していましたが、現在は没収されています。

「プーチン政権はもう嫌だ」ノカルド氏が日本を目指した理由とは

ノカルド氏は、朝日新聞の取材に対し島を出た動機について「プーチン政権はもう嫌だ。全体主義の傾向が強まるロシアから逃れたかった」と語っています。

「ポーランドに住むか、ドイツに親戚がいるので、どちらかに住もうと思っていたが、パスポートを盗まれてしまって、日本しか選択肢がなかった。」とも話しています。

ノカルド氏は、かつて野党を支持するメディアでプーチン政権に批判的な意見を言ったことで、聞き取りを受けたこともあったとのことで、連邦保安庁から目をつけられて国後島に渡った際にも尋問を受けたそう。

パスポートを無くした件についても、ポーランドに亡命しようと思うという話を周辺にした直後にパスポートが無くなったので、連邦保安庁の仕業ではないかと思っているとのこと。

そのためか、日本政府に「ロシアだけはやめてくれ。送り返さないで欲しい」と話しています。

難民認定を申請したロシア人男性ワースフェニックス・ノカルド氏の今後はどうなる?

ワースフェニックス・ノカルド氏(38歳)は、その後、難民認定を申請しましたが、2021年8月29日付の北海道新聞によると。「日本政府が難民に該当しないとして、特例的に上陸を認める「一時庇護(ひご)のための上陸」を不許可としたことが、政府関係者への取材で分かった。」と報じています。

また、記事では、「政府は男性をロシアから国後島を経て不法入国した外国人として扱った上、難民に該当しないと判断したとみられる。」とも伝えています。

当初は、ロシアへ送還されるのではとも思われましたが、ノカルド氏は、在札幌ロシア連邦総領事館の面会の申し出を拒否、9月中旬には茨城県牛久市の東日本入国管理センターへ移送されました。

その後の難民認定の申請の取り扱いについては、出入国在留管理庁から「不認定」とされましたが、ノカルド氏はそれを不服とする審査請求を行ったため、ロシアへの強制送還は当面は実行されなくなったとのことです。

ノカルド氏の日本での暮らしぶりは?

東日本入国管理センターでは、所持していた日本円を使って母国の母親に数回電話しているとのこと。テレビはあったが日本語がほとんど聞き取れないため退屈していたようです。

Wikipedeiaによるまとめによると、10月15日以前に、一時的に強制収容を解除される仮放免が認められ、入国管理センターから出所したとされています。

ロシアのウクライナ侵攻でノカルド氏の運命は?

2022年7月6日HTB(北海道放送)の映像より

出入国在留管理庁によると、2020年の日本の難民認定率は約1.2%だということです。

これまでの受け入れ実績を考えるとノカルド氏の希望が叶うとは思えません。しかし、ロシアがウクライナに侵攻しプーチン政権による言論統制や反戦運動の排除などが行われている今は、様相が変わってきているのではないでしょうか。

ノカルド氏がメディアに登場してプーチン政権を公然と批判したり、反戦の呼びかけをすることで、入管の判断が変わる可能性があるかもしれません。でも、それは万が一強制送還されたときに待っている厳しい処遇と隣り合わせの危険な賭けになるでしょう。

【参照した情報】

リンク:北海道新聞電子版2021/08/29 21:17 更新
リンク:Wikipedia「ワースフェニックス・ノカルド」

リンク:「プーチン政権に嫌気」「送り返さないで」国後島から”泳いできた”ロシア人男性 難民申請の真意を語る(北海道ニュースUHB)

リンク:「ウエットスーツとシュノーケルを身に着け…」“泳いで来た”ロシア人男性の目的とは?(HBC北海道放送)

リンク:深まる謎に迫る!北方領土から“泳いできた”ロシア人の男性に、面会取材 一問一答すべて(HBCニュース)

<2022.07.06追記>HTBのテレビ取材に対し、居場所を明かさないという条件でインタビューに応じてくれたとのこと。このインタビューのテレビ放送はyoutubeで見ることができます。

文字情報は下記リンクよりご覧ください。

北海道 昨年夏 国後島から泳いできたロシア人男性 テレビカメラの前で初めて すべてを語る/2022年7月4日HTB

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