Categories: 自然・景勝地

北海道のミンミンゼミ生息北限はどこだ!最新調査2022年

北海道におけるミンミンゼミ生息の北限はどこなのでしょうか。これまでの定説に加え、各地の鳴き声確認状況から、最新状況を探ってみます。(2022.09.09 記)

スポンサーリンク


北海道におけるミンミンゼミ生息の北限_最新調査

ミンミンゼミの鳴き声は、時に日本の夏を象徴する音として、ドラマや映画の中でよく聞きますが、北海道ではあまりなじみがありません。

一般的に、ミンミンゼミの北限は、道南の渡島半島と言われており、局所的には定山渓温泉でも繁殖しています。また、屈斜路湖の和琴半島のミンミンゼミは、大昔の分布の名残として天然記念物となっています。

しかし、温暖化に伴った現象なのか、近年は上記以外でもミンミンゼミの鳴き声を聞いたという証言が聞かれるようになっています。

筆者も、札幌市清田区(平岡公園)や、三笠市の鉄道村付近でミンミンゼミの鳴き声を聞いたことがあります。

そこで、現在のミンミンゼミの本当の北限がどのあたりなのか、調査してみました。

ミンミンゼミ生息北限の定説

北海道におけるミンミンゼミの生息北限について、これまでの定説は、「渡島半島が北限だが、屈斜路湖の和琴半島と定山渓温泉には局所的に生息している」というものでした。

和琴半島と定山渓温泉は、火山や温泉により地中が温暖な状態に保たれているという特殊な条件によってミンミンゼミが生息しています。

道南 渡島半島のミンミンゼミ

北海道内では比較的温暖な道南地方の渡島半島にはミンミンゼミが生息しています。この分布に関しては、図鑑などにも記されていますが、改めて認識しておきましょう。

屈斜路湖の和琴半島のミンミンゼミ

局所的にミンミンゼミが生息している場所として、屈斜路湖に突き出た和琴半島があります(弟子屈町)。これは、北海道かつて温暖だった時代の生き残り。温泉や火山活動により地熱が高いこの場所で生き残ったとされ、国の天然記念物に指定されています。

定山渓温泉のミンミンゼミ

2009年に実施された札幌市の「札幌市セミ調査」において、定山渓温泉でミンミンゼミの抜け殻が確認され、公式な調査におけるミンミンゼミの初確認となりました。

おそらく温泉がもたらす地熱により繁殖可能な環境となっているのでしょう。

リンク:札幌市セミ調査

ミンミンゼミの北限を探せ!最新情報

2022年9月7日、WEB上から、ミンミンゼミの鳴き声を聞いた場所が特定できる投稿を探しました。その結果、確認できた場所は次のとおりです。

余市、積丹、千歳市、三笠市、浜益村

リンク:余市町・積丹エリア(ツイッターより)

リンク:千歳市(ツイッターより)

リンク:三笠市(ツイッターより)

リンク:芦別市(ツイッターより)

石狩市浜益(旧浜益村)

<ツイッターより浜益のミンミンゼミ>

リンク:浜益村の初山別でせみの大合唱との証言(ブログ「Acoustic Touring」)

リンク:初秋の足音~北空知からオロロン街道~(ブログ「ぶらり探蝶記」)

旭川市(常盤公園・上雨粉)

リンク:旭川市の常盤公園(Facebookより)

リンク:旭川市上雨粉(ツイッターより)

増毛町

<ツイッターより>

ミンミンゼミの鳴き声が確認された地点の緯度を比較

さて、ここまで見てきたミンミンゼミの鳴き声が確認された地点の緯度を確認すると、現在の北限が明らかになりました。

  1. 増毛町の市街地と大別苅防災ステーションの間付近/北緯43.83
  2. 旭川市の常磐公園/北緯43.77
  3. 旭川市上雨粉/北緯43.70
  4. 浜益の海水浴場付近/北緯43.585
  5. 屈斜路湖の和琴半島/北緯43.583

以上のことから、現時点でミンミンゼミの鳴き声が確認されている中で、もっとも北に位置しているのは、「増毛町」であることが分かりました。

当ブログとしては、今後も情報収集に努め、最新情報があれば、この記事に追記してまいりたいと思います。

スポンサーリンク



tah